TOKYO ART BOOK FAIR - DIALOGUE -
出逢った人たち、本。
(順不同)
(全部全部じゃないです、あと記憶に頼ってます)
1 TAKEO YAMADA - musician/photographer
―海や空がすごく好きなんです。それで、うちにカウチがあるんですけど、そこから海や空を見たくて。
―だから、そういう風に見られる本をつくったんです。
―これ、半紙に印刷してるんです、インクジェットで。
―そう、意外かもしれないけど半紙はもともと墨っていう染みるものに適した作りをしているから、インクジェットとも相性がいいんです。
―撮影したカメラも、とっても古いドイツ製のものなんです。
(via Blue)―誰でも買っていくっていうわけじゃなくて、本当に好きだと思ってくれた人が買っていってくれるんで、嬉しいですね。
―さっき、授業に使ってもいいですか、って訊かれたんですよ(笑)
―こういうコンセプトで活動してるんです。
「店舗を持たない本屋」をコンセプトにアートブックを中心として、イベントの企画・出店・ZINEのセレクトなどを行っています。BAMBA BOOKSが目指すのは、インディペンデントに活動するアーティストたちのコミュニケーションの場、発表の場をつくること。枠にとらわれずに様々な活動をおこなうことで、プラットフォームとなって新しいムーヴメントを作っていければと思っています。
(お名刺より引用)
―イベントやるんです、「1ドリンク、1ジン」っていうルールで!
―みんなでジン持ち寄って交換できる場をつくろうって…もし良かったらwebにインフォ載せるんで、是非来て下さい。
―そのジンは、ページを焼いてるんです…だから一冊ずつ焦げたカタチが違いますよ。
book "embers"
3 木下康司 -Photographer
―今回はアートブックのフェアだって言うので、そういう装丁にしてみました。普段は商業用の写真を撮ったりしてます。
レザーが頁になったフォトブックを見せてくれる。
すごく生々しいさわり心地。裏地の指に暖かく纏わり付く感触と、裸体の写真のニュアンスが絶妙。
―印刷紙も自分のすごく好きなものを使っています。ヨーロッパの紙だったかな…名前忘れちゃった。
―見る時点で、“見る人”と“写真”のあいだに距離があいちゃうでしょう。本当だったら触り心地も大事かなあ、と思ってます。
―写真、面白いですよ、とっても。女性も写真に撮られるとやっぱり綺麗になりますよね。
―アイドルの子なんかも撮りますが、最初は表情がかたいのが、次第に和らいでいったりするんですよね。
―ブックデザインをしています。どんな紙を使うか、どんなサイズかで、本当に本の雰囲気は変わりますよね。
―印刷はgraphicさんに発注していて、背表紙を糸でとめたり折ったりっていうのは自分でやっています。
book "hana"
5 THROUGH.
―もともとジンをつくっているんじゃなくて、Tシャツをつくっていて、それのカタログとしてジンが出来た感じです。
―そのTシャツはプリントじゃなくて染めています。…綺麗な色ですよね。
―CDジャケットのデザインなどをしています。ここにあるジンは、昔そのためにデザインしたものを集めたものなんです。
―イギリスに14ヶ月ほどいました。その時に出逢ったものや、生活習慣をジンにしました。
すごく素敵!色合いが向こうの絵本みたい。
―ありがとうございます!この本で描いたのはウェールズ地方で…とても綺麗な風景が広がっていますよ。
(Post Card)
7 Mari Yano - 画家
―(私の服をみて) あ!その服可愛い!(笑)
あら、ここにある作品と色合い似てますね!(笑)
―ほんと!…全部クレヨンなんです、何層も何層も塗り重ねて、ニードルで削って。削る部分や深さによって色が全然変わってくるんです。あと、指でこすってみたり。
私もパステルやってるんでわかります、指でこすりまくります(笑)
―そうですよね、パステルだったらまさにこすりまくりですよね!
(via 水の椅子)
8 幻冬舎
あ、幻冬舎さん!!
―そうです(笑) 今回は2〜3割引で、ちょっと古い店頭に置いてないものなどを売っています。
―そうは言っても、こちらのアートブックフェアーに置いてある他の作品のように全く手に入らないものでもないのですけれど。
先週の国際展示場のブックフェアには出店していらっしゃいましたか?
―はい!ただ、あちらは出版社ごとのブースなので売ることが目的化しているんですけど、こっちはあくまで展示という感じですから…そこら辺で臨み方も違いますよね!
9 成瀬つばさ
「あ!リズムシだ!」
「可愛い〜」
「ポストカード下さい」
「あ、もうリズムシブック売り切れてる…」
などの人だかりの中心で終始笑顔のお兄さん。
…リズムシを作った方…ですか!?
―はい(にっこり)
うわあああ!!!!//////
10 西園淳
―印刷を重ねて重ねて厚みを出して、立体にするんですよ(ポートフォリオを見せてくれる)
―これは、透過する紙にその断層ごとにプリントしたもので…(iPhoneの光を下から当てる)…日光が1番綺麗なんですけど、こんな風に透けるんです。
(via andbooks)
綺麗……!!!!こんなことプリントでできるんですね…!!
―はい。あと、こちらはシールです。昔、こども机にぺたぺた貼って、そのまま古びてしまったシールってあるでしょう、あの雰囲気をそのまんまシールにしちゃおう、って。(ぺたっと実際に机に貼ってくれる)
おおおお!!!新しいのに古い!!なんだか印刷の常識を覆されるものにいっぱい出会えました!
―今回は大阪から来たので1日限りなんですけど、そんなに喜んでもらえて良かったです。
11 小塚類子 - イラストレーター
そのヘアドレス、可愛いですね!(笑)
―あはは、これあるとどんなに真剣なこと言っても全然説得力ないですよね(笑)…反原発デモとかいった時もね、こう、色々な格好していって…(反原発デモに参加したときのファッションを描いたジンを見せてくれる)
おお!これは目立ちますね…!やっぱりファッションってインパクトに繋がりますよね、私はヴィジュアル系の論文書いてるんですけど…―
―そのくらいの世代の子だと、やっぱりDIR EN GREYとか好きなのかな?
あ、はい、ガゼットやDIRが大好きで…で、そこからXやLUNA SEAなんかも遡って聴いて、好きになって…
―hideのアルバムジャケットデザインしてたんですよ。
ええええええええええええええええええええ!!!!!
…―その節は大変お世話に…えっと…////(どの節だ)
―突然態度が変わった(笑)ヴィジュアル系の論文、楽しみにしてますよ(笑)
ありがとうございます!!!///
12 graphic
―こんにちはーっ、印刷会社graphicです!!今無料で印刷紙のサンプルお配りしています。
―はい、同じ色でも、紙によって全然違った表情になってきますよね。
―頑張ってますので、是非サイトをチェックしてみてください。graphicでググると1番最初に出てくるので…!
帰宅後
志賀理江子さんの写真集、CANARYを開く。
ずっと気になっていた一冊。ブックフェアでも、残り1冊をなんとか入手した。
開くと、寒気がするくらいの影が写っていて、影を照射するためだけの光があった。
被写体の存在は、みんな知ってる。別に物珍しいものじゃない。
なのに、それの内側に何かとてつもない魔物を練りこんでしまったかのような。
写真が見る者を直視してくる。
この写真集は、見る者に対して見る姿勢を定義づけてくる。
人に見られるための写真じゃない。見るわたしたちの方が、写真の存在肯定のために選ばれたって感じ。
―写真によって生け贄にされた人物や風景が、あの世に捧げたものを見よ。―
志賀さんの言葉が帯に綴ってある。
多分、人が日常でひた隠しにしているものをこの人はカメラで捉えている。
書店から即座に消えてamazonでも値段が跳ね上がっているこの子を原価で手に入れられた幸福…。
******
選ぶ、という行為について考えた。
まずはじめに、自分が何を求めているのか、に向きあう必要があるだろう。
その結果が思想であれ、カタチであれ、音であれ、明確に、ただひとつのヴィジョンを描き出す必要がある。
次に、それに必要な素材や過程を構築する。
その時、ただひとつのヴィジョンに適するただひとつの過程を見つけるため、
より多くの素材、過程、手段を知る必要があるだろう。妥協ではいけない。
そうして、初めて、選べる。
本、ことアートブックに分類されるものは、その【選ぶ】行為の結晶のように思う。
コンテンツになる部分、コンテンツ以外の余白部分、それを描き出す紙質、あるいは印刷方法、サイズ…―。
挙げだしたらキリがない条件のひとつひとつを、自分のヴィジョンに照らし合わせて選別していく。
何ひとつ欠けてはいけないし、何ひとつ違えてはいけない選択の先に、本があるんだと思う。
拘り続ける姿勢を持つ人は、美しい。
たくさんの人に会って思った。
ある人は言葉にはせず、本という形で、
ある人はそれを説明する言葉の中で、
自分の拘りを全面に押し出す。
みんな美しかった。






